Cahier des Mignons


紅茶と暮らし
by ribbonneko
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カテゴリ:本、映画( 8 )

つきのオペラ

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子どものころ、わたしがどこへ行っても、お月さまがちゃんと付いてきてくれることが
とても不思議でした。
この絵本の主人公も、そんなふうにお月さまを見ていたのでしょう。

少年ミシェル・モランは、お父さんにも、お母さんにも会ったことがありません。
それでも、お月さまが空に光っていさえすれば、にこにこ笑って、嬉しそう。
ミシェルとお月さまは仲良しで、いつも一緒にあちこち歩いては、
たくさんのきれいなものを見せてもらっているからです。

「おつきさまのオペラにはね なんでもあるんだよ
そのどれもが きれいできれいで
くらべるものが ないくらいだよ」

喜びにあふれ、美しくきらめく月の世界。
その素晴らしさを思い描くほどに浮き彫りにされていくのは、
心を通わせる人のいない深い孤独と、繰り返される破壊や戦争への悲しみでした。
願いをこめた言葉は、美しい詩のようで、
本を閉じたあといつまでも、静かな余韻を残します。

「わたしたちは おつきさまに かえることにするよ
このちきゅうが あたらしい ちきゅうになったら
また あそびにくるからね」


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つきのオペラ
著:ジャック・プレベール
イラスト:ジャクリーヌ・デュエム
翻訳:内藤 濯
出版社::至光社

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by ribbonneko | 2010-10-19 00:00 | 本、映画

ポテト・スープが大好きな猫

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ポテト・スープが大好きな猫

根っからのテキサスっ子のおじいさんと、
おじいさんが作るポテト・スープが大好きな猫のお話です。
おじいさんと猫のほどよい距離感がいい。
おじいさんはおじいさんらしく、猫は猫らしく、当たり前に生きているだけ。
そして、一緒に暮らしている。
 
そっけないようで、ちゃんと認め合っているし、
そんな素振りはほとんど見せないけれど、本当はしっかりと相手を必要としている。

「わたしを残して、おじいさんが出かけるわけはないのに。」

いつもの場所で、いつものように、
何気なく一緒に暮らしていることこそが、愛の表現なんだろうな。

怒りに燃えた猫がおじいさんに向かって必死に訴えるシーンは、
猫と暮らしている人ならみんなわかると思う。
猫ってこうやって話すよね。たまらなく愛しい!
 
↓船の舳先に立って風を受ける猫の顔ったら。なんて意気揚々として、嬉しそう。

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年取った雌猫はだいたいにおいて気むずかしくて、
すぐムッと腹を立てるのだけど、感情が細やかで、
(きげんの良いときには)とても心優しくて、
深く気持ちを通じ合わせることができます。
        / 村上 春樹


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ポテト・スープが大好きな猫

作:テリー・ファリッシュ
絵:バリー・ルート
訳:村上春樹   (講談社)
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by ribbonneko | 2009-03-12 00:00 | 本、映画

おちゃのじかんにきたとら

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ソフィーとお母さんが、お茶の時間にしようと腰をおろした、ちょうどその時、玄関のベルがなりました。
いったい誰かしら・・・とドアをあけると、そこにいたのは、大きなトラ。
トラは、お茶のごちそうになろうとやってきたのでした。

「ごめんください。
ぼく とても おかなが すいているんです。
おちゃのじかんに、ごいっしょさせていただけませんか?」

おかあさんはいいました。

「もちろん いいですよ。
どうぞ おはいりなさい。」

ノスタルジックな雰囲気漂う、可愛らしい絵。外国の絵本ならではの鮮やかな色使い。
突然の来客(しかもトラ!)にも慌てず、丁寧におもてなしをするお母さんに、
すんなりとトラを受け入れ、すっかり甘えている女の子、
礼儀正しく、紳士的な物腰のトラ。
それから、帰ってきたお父さんの行動も・・・。
お茶の時間にふさわしい、ゆったりとした余裕のある心持ちが絵本全体に流れています。
(●^-^●)


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おちゃのじかんにきたとら
 作:ジュディス・カー
 訳:晴海耕平
 /童話館出版
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by ribbonneko | 2008-09-10 00:00 | 本、映画

シカの白ちゃん

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頭の上に、真っ白でふわふわの毛をもつ、シカの白ちゃん。
今から50年ほど昔、奈良公園に生まれ、
その珍しく愛らしい姿から、一躍世間の人気者となったのだそうです。
ところが、同じシカの仲間からは、外見が異なるせいか仲間はずれにされしまい、
白ちゃんを愛してくれたお母さんや、
白ちゃんが大人になって、ようやく授かった赤ちゃんまでも亡くし、
白ちゃんはいつも1人ぼっちだったといいます。
そして最後には、交通事故によって命を奪われてしまいました。

ささやかな喜びと深い悲しみを傍らに、精一杯生きた白ちゃん。
そんな白ちゃんが健気で、愛おしくて、
同時に、あまりに酷い人間の身勝手さについて考えさせられます。

「どうか、白ちゃんが、あなたのおこころにもつつまれますようにと、いのりまして」
(本文より)


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シカの白ちゃん
岡部伊都子・文 飯村稀市・写真
/筑摩書房
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by ribbonneko | 2008-07-25 00:00 | 本、映画

猫町

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見方を変えれば、様相ががらりと変わってしまうことはたくさんある。


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猫町
(著)萩原朔太郎 (画)金井田英津子 
パロル舎
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by ribbonneko | 2008-03-17 00:00 | 本、映画

素敵!と思った広告

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大人の哲学を持ち、子どものような純粋さを持つ人。
主流なのに、心は反主流である人。
スーツを着こなすが、ジーンズもはきこなす人。
人生も語れるが、ジョークもうまい人。
有意義も好きだが、無意味なことも好きな人。
ワインにも詳しいが、恐竜にも詳しい人。
常識は持っているが、決して縛られない人。
ITには強いが、手紙は万年筆で書く人。
家庭を愛しているが、時には家庭を忘れられる人。
孤独も好きだが、社交も上手な人。
常に冷静だが、時に情熱的になれる人。
クラシックも聴くが、ロックも愛している人。
自信はあっても、過信はしない人。
美術館にも行くが、ジムにも行く人。
協調もできるが、反論もできる人。
夜更かしはするが、朝きちんと起きる人。
守るものが多くても、冒険できる人。
部下には優しいが、上司には厳しい人。
食べるのも好きだが、料理もできる人。
上質にこだわるが、贅沢は好きじゃない人。
自分の誕生日は忘れても、約束の時間は守る人。

人生に多くのことを求める人へ、BMW。

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by ribbonneko | 2008-03-17 00:00 | 本、映画

地下の国のアリス

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Alice’s Adventures Under Ground (地下の国のアリス)

『不思議の国のアリス』 の始まりは、
実在の少女アリス・リデルと
作者キャロルとの間に交わされたおとぎ話がきっかけでした。

ある夏の一日、ピクニックの道中で、
若き数学教師チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン (ルイス・キャロルは、彼のペンネーム) が、
アリスを主人公に語り始めた、果てしなく続くおとぎ話。
そのお話を気に入ったアリスは、何度も読みたいと思い、
書き下ろしてくれるよう熱心にせがんだのだそうです。

そして、ピクニックから2年後。

ルイス・キャロルは、出来上がった本をクリスマス・プレゼントとしてアリスに贈りました。
たった一人の少女のために作られた手作りのプレゼントブック。
それが、『不思議の国のアリス』 の原型となった
『 Alice’s Adventures Under Ground(地下の国のアリス) 』 でした。

その、ルイス・キャロル直筆による一冊を、完全復刻したというのが、こちらの本です。
2冊組みのうち1冊は『Alice’s Adventures Under Ground』 の原本、
もう1冊には、その全訳とともに物語の誕生秘話、本がたどった数奇な運命について綴られています。

キャロルが撮影したアリスの写真も見ることができるのですが、
すいこまれそうなほど美しい瞳を持った、本当に愛らしい少女でした。
面白いお話が次々と湧いてくるような・・・生き生きと魅力的な女の子だったのでしょう。

キャロルの文字も、挿絵も、本の装丁も、すべてが魅力的で、
子どもの頃から大好きだった『不思議の国のアリス』 に、改めて魅了されました。


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不思議の国のアリス・オリジナル

ルイス・キャロル原作 / 書籍情報社 /
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by ribbonneko | 2008-02-27 00:00 | 本、映画

Lost in Translation

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Lost in Translation

CM撮影のために来日したハリウッドスターのボブ。

フォトグラファーである夫の仕事に付き添ってきたシャーロット。

自分の存在意義を見失いかけ、虚無感を抱えている2人は、
言葉も、街並みも、人々にも、戸惑うばかりの異国の地・東京で、孤独や疎外感を強めていく。
外の喧騒とは対照的に、静けさに包まれた高層ホテルは、まるで空中に浮かぶ島のよう。

家族に電話しても、心は触れ合わない。
会話によく似た、独り言。
眠れない夜が続く。

2人は、ホテルで何度か顔を合わせるうちに言葉を交わすようになり、
言いようのない不安、孤独感を共有していることを感じ取る。
いつしか、年齢も、性別も越えた絆が芽生えていた。

別れの日。

原色のネオンが所狭しとひしめく雑踏の中、ボブはシャーロットを抱きしめ、耳元で何かを囁く。

映画では異国というスタイルをとっているけれど、
同じ言語によるコミュニケーションだって、
多くはなんとなくでしか成り立っていないんじゃないかって感じることがあります。
適当な相槌、その場限りの親しみのある笑顔、
言葉は、伝わることなく人と人との隙間に落ちていくばかり。

それでも、
誰かと、深くわかり合えたこと。
心が、確かに繋がったと感じられたこと。
その記憶は永遠の糧であり続けるのだと思う。
儚い一瞬の出会いであったとしても。


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Lost in Translation

監督、脚本: ソフィア・コッポラ
キャスト: ビル・マーレイ Bill Murray
     スカーレット・ヨハンソン Scarlett Johansson
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by ribbonneko | 2008-02-27 00:00 | 本、映画